セミナーハウスの2階の和室を会場にして皆ですき焼きを食べた。私はすき焼きを食べている間、横山譲さんと話をした。2014年3月に浦河日本赤十字病院の精神科病棟が廃止になるまで医療保護入院されていて、私が2012年9月20日から11月2日まで入院していた時も病棟に入院されていた。私の入院した大部屋の2つ隣の大部屋で生活されていた。その頃は、べてるの家に入居されて私とは夕御飯を一緒に食べていた。毎週、金曜日に私がSAを礼拝堂で済ませた後、寝る前の薬を持って行くといつも自分の部屋でテレビを観ながら横になっているが、私が声を掛けると身体を起こして薬を受け取ってくれた。私は寝る前だけで10錠以上ある薬をしっかり全部確認して渡す。「水、貸しといてね」と言われると私はコップを受け取らず、渡したままにする。横山さんの寝る前の薬は統合失調症を持つメンバーが管理していて木曜日の住居ミーティングの時に投薬をする人を決めていた。「薬、頼みます」と横山さんが言うと12日(木)、13日(金)、14日(土)と支援者の方が言うのに対して次々に手が挙がる。べてるの家ではメンバーが投薬を率先してやっていた。SAの後の1週間の終わりに投薬をすると横山さんはいつも私の眼を見て「どうもな、どうもな」と言う。私は投薬が終わり教会の部屋に戻ると、窓から街灯に照らし出された雪景色を眺めた。眠くなるまで本を読もうか論文を書こうか、その前に国道まで出て自動販売機でコーラを買って来ようか。私は部屋を出て雪化粧した道路をザクッ、ザクッと踏みしめて国道まで歩いた。車は走っていない。携帯電話に連絡は入っていない。本を読もうと決めてコーラを片手に教会まで歩いた。シャワーを浴びてから眠くなるまで私は本を読んだ。抗精神病薬を飲んで心地良い疲れと共に眠りに就いた。しんしんと降り続ける雪がキラキラと光っているのが美しかった。
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